税務課のシゴト
税務の仕事
課税と徴収
- 課税しても年度内にすべて納付されるのではない。
- 時には財産の差押えから公売へと、強制的な手続きをとることもある。
課税の根拠
- 地方税法では、都道府県や市町村のことを、「地方団体」と定義している。 (地方税法 第1条)
地方税法 第1条 抜粋
第一条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 地方団体 道府県又は市町村をいう。
二 地方団体の長 道府県知事又は市町村長をいう。
三 徴税吏員 道府県知事若しくはその委任を受けた道府県職員又は市町村長若しくはその委任を受けた市町村職員をいう。
四 地方税 道府県税又は市町村税をいう。主要税目の税率について、地方税法では標準税率とこれを超えることのできない上限の制限税率が定められている。
- 税率を採用するに際して地方団体の裁量が認められている。
- 標準税率 ... 地方団体が課税する場合に通常採用すべき税率
超過課税 ... 標準税率を超えた税率で課税すること
- 法人住民税の法人税割の税率について、大都市をはじめ多くの地方団体で採用されている。
地方税法 第3条 抜粋
第三条 地方団体は、その地方税の税目、課税客体、課税標準、税率その他賦課徴収について定をするには、当該地方団体の条例によらなければならない。
2 地方団体の長は、前項の条例の実施のための手続その他その施行について必要な事項を規則で定めることができる。
(地方団体の長の権限の委任)国税 ... 法律に基づき課税する(租税法律主義)
- 地方税 ... 条例に基づき課税する(租税条例主義) (地方税法 第3条)
- 納税者が申告・申請するに際して使用する申告者や様式についても、条例(施行規則)で大きさ等が定められている。
地方交付税を算定する場合において、地方団体がどの程度収入があるかという基準財政収入額を算定する際は、標準税率により税収入額を計算する。(地方税法第1条第1項第5号)
地方税法第1条第1項第5号 抜粋
五 標準税率 地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上その他の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいい、総務大臣が地方交付税の額を定める際に基準財政収入額の算定の基礎として用いる税率とする。
課税できる期限
- 原則として定められた納付期限の翌日から計算して3年(固定資産税の場合は5年)を経過した場合には、課税することはできない。
- 課税した税額を修正する場合は、5年以内に修正
- 課税をしたが、納税の催告すらできなかった場合は、5年が過ぎると徴収する権限がなくなる。
納税者の個人情報を守る
- 課税のために、納税者の所得、資産、扶養家族の状況の秘密事項を知る必要がある。
- これらの秘密事項を外部に漏らさないことが重要。(租税情報開示禁止原則)
- 税務職員は、地方公務員法、地方税法の規定により、秘密漏洩に関する罰則が重く科される。
- マイナンバーが税務事務において使用されるようになったので、これに対する守秘義務もある(行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法))
税法はどうやって学ぶか
- 税務の難しい仕組みを広く納税者に説明できるように、普段から税の仕組みを学んでおくこと。
- 実務の流れをつかんでから、税法を読んでいくとよい。
税制改正はいつ行われるのか
- 毎年行われるので、改正に関する動きについて敏感に反応し、理解しておく。
- 税制改正は、内閣総理大臣の諮問機関である政府の税制調査会で審議が行われる。
- 一方で、政府与党である自民党・公明党の税制調査回でも議論が行われる。
- 毎年12月には翌年度の税制改正について、政府与党の税制改正大綱が発表される。
- この大綱を基に法律案が作成され、3月末までには国会で可決成立する。
課税資料の収集
国税との協力
- 国(税務署)と地方団体は協力しあって、税務行政を推進する。
税務とマイナンバー
- 情報提供ネットワークシステムを介して、所得情報等が素早く提供される。
税負担の軽減
- 納税者の個々の状況により納付困難になったような場合には、各地方団体で、税条例に減免あるいは免除の規定が定められている